■陶磁器とは

日本には有名な陶磁器がたくさんあり、国の伝統工芸品に指定されているものもあります。
一般的に陶磁器といえば、陶器と磁器の総称です。しかし実際に陶器と磁器を見てみると、多くのの違いがあります。
違いや適した用途を知って、器選びの参考にしてみてください。

■陶器と磁器の違い

「陶器」と「磁器」では、次のような点で違いがあります。
・ 原材料
・ 硬さ
・ 焼成温度
・ 透光性
・ 吸水性
・ 保温性
・ 叩いた時の音

様々な種類があるのでもちろん例外もありますが、
◎陶器 器に厚みがあり、表面にザラつきがあったり、民芸風な温かみがある。
◎磁器 表面がツルンとしていて、熱伝導率が高い。
といった違いがあるといえます。

■陶器

陶器は陶土とよばれる粘土が主な原材料です。土の質感を残した素朴な風合いが特徴で、叩くと鈍い音がします。
陶器の表面には、目に見えないほどの小さな孔(あな)が多数あるため、手で触った時にザラついた感触があります。またガラス量が少ないので光を通しません。

陶土は一般的に1,000~1,200℃と低めの温度で焼成されるので、陶器と比べ割れやすくなっています。
陶器の中に閉じ込められた空気が断熱材の働きをするため、熱を通しにくく保温性が高くなります。

■磁器

磁器の原材料は石で、細かく砕いて粘土に混ぜて使用します。
磁器は一般的に、陶器より高温の1,200~1,300℃で焼成するため、硬く焼きしまって「ガラス質」になります。
このため、表面はスベスベとした感触になり、叩くとチンチンと澄んだ音がします。

素地の中に断熱材となる空気の入り込む余地がなくなり、熱が伝わりやすく冷めやすい特性があります。また、素地が水を吸いにくくなるため、吸水率はほぼ0%です。

■主な陶器の産地

・ 小石原焼(福岡県)
・ 萩焼(山口県)
・ 唐津焼(佐賀県)
・ 信楽焼(滋賀県)
・ 美濃焼(岐阜県)

■主な磁器の産地

・ 伊万里・有田焼(佐賀県)
・ 薩摩焼(鹿児島県)
・ 九谷焼(石川県)
・ 波佐見焼(長崎県)
・ 砥部焼(愛媛県)

■まとめ

日本国内には多くの焼き物産地があります。
その歴史も古く、世界最古ではないかと言われている土器も日本で発見されています。
産地ごとの陶磁器の特徴や個性を知ると、器選びが益々楽しくなりますね。

小石原焼は、地域で採れる粘土を使って作られる「陶器」です。
素朴で温かい風合いの器を楽しんでください。

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